フランクリンメソッドを学ぶとなぜピラティスの役に立つのか

私がピラティスに出会ったのは、理学療法士としてリハビリテーションの仕事をしながら膝の怪我を経験したことによります。

膝の怪我だから膝を診る。それは当たり前の考え方で自分もそれを疑うことはありませんでした。
自身がリハビリを受ける中で膝の復調が思わしくないと感じていた頃、ピラティスのクラスに参加し、患部だけではなく全身が統合されていく感覚に魅せられてインストラクターの取得を目指すようになりました。

リハビリの臨床の中で動きを伝え、習得していく過程に従事していたのでインストラクターとして動きを言葉にすることは容易いことだと考えていました。いざ指導の練習を重ねていくと、息を吸うこと、吐くこと、手足を動かすということは指示できても、動きの質を伝えることは決して単純なことではないと気付いていきました。

エクササイズを効果的に指導したいのに、ただ動きだけを指示していて、動き方の本質を伝えられないということを解決してくれたのがフランクリンメソッドのダイナミックイメジェリーを用いたキューイングでした。動きそのものの質感を何かに置き換えた表現で指示してみると、クライアントに効果的なエクササイズの提供が可能になったのです。また、この効果を導くのは、身体の構造がどのようなデザインで、どのように動くかをインストラクター自身が理解していて、しかるべきタイミングでそのキューイングをしている時ということになります。フランクリンメソッドを学んだことにより、ピラティスのエクササイズを形ではなく『機能の体現が機能を向上させる』という効果を目の当たりにすることが増えていきました。

さらにフランクリンメソッドを学んだことで指導に役立ったことがあります。それは身体そのものを多角的に考えることができるようになったということです。目の前で起きている動きに伴って働いているのはどこかという問いに多くの答えを持つことを可能にしてくれました。例えば背骨を曲げる動きをするとき、背骨の関節、関節を取り巻く構造、筋肉、背骨へつながる内臓、コントロールする神経系など働きは多岐に渡ります。

一つのことには多くの答えがある。

そのことが分かることによって実際に動きの指導のバリエーションが持て、グループレッスンやパーソナルトレーニングで行き詰まる場面が減りました。
そしてそれは自分自身の在り方にも大きな変化をもたらしています。自身の価値観に囚われすぎることなく、自分が今何にフォーカスを当てているのかに認識を持つことが次の一歩の選択につながり、視野の広がりを感じるようになりました。

フランクリンメソッドは、ピラティスだけではなく誰かに何かを伝えるという仕事をしている人にとって自分を通じて他者に気付きをもたらすだけではなく、自身の気付きも多いパワフルなメソッドで様々な人に学んで欲しいと思います。

山口由紀 フランクリンメソッドジャパン メンター

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