武道とフランクリンメソッド

フランクリンメソッド・エジュケーター第三期生の島村です。武道の指導を本業としています。

私がフランクリンメソッド(以下、FM)を学ぶことになったきっかけは、『骨盤力』(スキージャーナル社)を手にして、その心身に関する深い考察に感嘆したことです。指導者として立つためにはぜひ学びたい!・・・そう直観しました。
なぜそのように感じたのか?なぜ他のメソッドではなくFMでなければならなかったのか?・・・ということをご理解いただくために、少々お付き合いいただければ幸いです。

私がお伝えしている武道は、太氣拳(たいきけん)という拳法です。太氣拳の稽古では、攻撃技・防御技など個々の具体的な技術と並行して、気功法とも通底する静かな稽古で心身の構造に由来する本能力(=氣の力)を磨きます。外から一見しただけでは分かりにくい「内的な力」を養う訓練に重点を置きます。それだけに指導が難しく、かつては武道の初心者では学べず、空手の指導員クラスの方々に指導されていました。そのような背景があるため、1990年代になって太氣拳が一般向けに公開されてから20年以上が経つにもかかわらず、教授法がいまだ確立されていない状況にある、といっても過言ではない状況です。
武術としてのみならず、養生法・健康法、そして身体能力の開発法としてもすぐれたコンテンツを持つ太氣拳を、広く伝えていきたい。そう考えて私は浅学菲才を顧みず稽古会を主催し、指導を開始しました。

FMでの学びは指導の難しさに悩む私に、「魔法の杖」を二本、与えてくれました。

一本目の杖は「機能解剖」に基づく身体の機能への理解です。FMでは体が機能するためにどのように設計されているか、という根本的な部分に着目して学びを深めます。自分の動きがその設計に合っているのか、いないのか。合っていないとすれば、どのように変えていくべきなのか。FMのレッスンではわかりやすい例えを用いて、身体の設計についての理解を促してくれます。

二本目の杖はダイナミック・イメジェリー。これは動きの本質的改善のために、エクササイズにマインドを介在させる科学的な方法論です。実は、武術の習得において一番大事で難しい「秘中の秘」であるのは、この部分です。
特に、太氣拳のベースとなっている中国武術の「意拳」では、その名称の通りマインドをいかに効率的に介在させるかが、鍵となっています。
少し専門的な話をしますと、心と意、意と氣、氣と力の内三合、手と足、肘と膝、肩と股の外三合が瞬時に一致する(=六合)と、絶大な威力となって表出するのですが、とくに内三合については、外側から見えないだけに正しく学ばないとその習得は困難とされています。
私個人の経験を踏まえた感想を申し上げれば、FMの「魔法の杖」を正しく用いるならば誰もがその本質に迫れる、と確信いたします。

また、プロコースでは専門的な知識を講義で一方的に学ぶだけではなく、生徒である我々にフォーカスして実践を通して学びます。それにより、自分自身の「変化の可能性」を見出していくという「在り方」を、徹底して身に着けていきます。
指導者として立つ者は、正しい知識と動きを示すことはもちろんのこと、どうすればそれを身に着けることが出来るのか、どう学べばよいのか、を示せることが大切です。そして、生徒自身が自主的に取り組み自身の変化を愉しむことが出来るための、きっかけづくりを手伝うこと。体現を通してそれらを伝えられる存在でなければ、ならない。

自信をもってプロの武道指導者として立つために大切なことを、FMを通して私は学ばせていただきました。感謝とともに、大きな希望をもって歩んでおります。

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